ビジョントレーニングとは

ビジョントレーニングとは?子どもの「見る力」を育てて、学習・運動・集中の困りごとを改善する方法
「音読でつっかえる」
「行を飛ばして読んでしまう」
「板書が間に合わない」
「文字の形がいつも崩れる」
「ボールが怖い、キャッチが苦手」
このような困りごとがあると、保護者の方は「集中力がないのかな?」「やる気が足りないのかな?」と不安になります。
しかし実際には、お子さまの努力や性格の問題ではなく、“見る力(視覚機能)”が関係しているケースが多いのです。
そこで注目されているのが、ビジョントレーニングです。
ビジョントレーニングは、視力(見える・見えない)ではなく、目の使い方と見た情報を処理する力を整え、学習や運動の土台を育てるトレーニングです。
この記事では、
- ビジョントレーニングとは何か
- どんな子どもに必要なのか
- 効果が見込める困りごと
- 家庭でできる簡単なやり方
- 教室に通うメリット
をわかりやすく解説します。
ビジョントレーニングとは
ビジョントレーニングとは、視覚機能(目の動き・焦点調整・両目の協調・視覚認知など)を鍛えるトレーニングです。
多くの方が「見る=視力」とイメージしますが、実際には見る力には段階があります。
- 目で情報をとらえる(視線を向ける)
- ピントを合わせる
- 両目で立体的に把握する
- 視線をスムーズに動かす
- 見た情報を理解し、判断する
- 体を動かす(手を動かす)
この一連の流れがうまく働いてはじめて、「読む」「書く」「運動する」がスムーズになります。
ビジョントレーニングは、単に目を鍛えるのではなく、見た情報を脳で処理し、行動につなげる力を育てるトレーニングだと考えるとわかりやすいです。
ビジョントレーニングで鍛える5つの力
ビジョントレーニングが対象にする“見る力”は、大きく分けて5つあります。
1. 眼球運動(視線を動かす力)
読むときには、目は文字を追って左右に動き、行を変えるときには縦方向にも動きます。
この動きがうまくできないと、
- 行を飛ばす
- 同じ行を2回読む
- 読み間違いが多い
- 音読が遅い
といった困りごとが出やすくなります。
2. 焦点調整(ピントを合わせる力)
教科書(近く)→黒板(遠く)→ノート(近く)を繰り返すのが学校の学習です。
焦点調整が弱いと、
- 板書が遅い
- 目が疲れやすい
- 近くを見続けると集中が切れる
などにつながります。
3. 両眼視(両目を協調させる力)
左右の目をうまく同時に使う力です。
両眼視が弱いと、距離感がつかみにくく、
- ボールが怖い
- キャッチが苦手
- 段差でつまずきやすい
- 枠からはみ出して書く
といった困りごとが起きることがあります。
4. 視覚認知(見た情報を理解する力)
「見たものを脳で理解する力」です。
ここが弱いと、
- 似た文字を間違える(る・ろ、わ・れ、ぬ・め等)
- 漢字の形が覚えられない
- 図形問題が苦手
- 探し物が見つからない
につながります。
5. 目と手の協応(見る→動かす力)
見た情報に合わせて手を動かす力です。
ここが弱いと、
- 書くのが遅い
- 文字の大きさがそろわない
- マス目に入らない
- ハサミや工作が苦手
といった困りごとが出やすくなります。
ビジョントレーニングが必要な子どもの特徴
ビジョントレーニングは、スポーツ選手だけのものと思われがちですが、近年は子どもの学習支援の領域でも注目されています。
次のような特徴がある場合は、見る力の土台を見直す価値があります。
- 音読が遅く、よくつまる
- 読み飛ばし、読み間違いが多い
- 行を追えず、指でなぞりたがる
- 文字が枠からはみ出す
- 板書に時間がかかる
- 写し間違いが多い
- 文字が逆になる(鏡文字)
- 漢字の形が安定しない
- 目を細めたり、顔を近づけたりする
- すぐ目が疲れたと言う
- 集中が続かない
- 忘れ物やケアレスミスが多い
- 球技が苦手、距離感がつかみにくい
- 転びやすい、ぶつかりやすい
- プリントのどこを見ればいいかわからなくなる
これらの困りごとは、ひとつひとつを見ると別の悩みに見えますが、実は「見る力の土台」でつながっていることが多々あります。
ビジョントレーニングの効果は?何が変わるの?
ビジョントレーニングで期待される変化は、大きく3つです。
1. 読み書きがスムーズになる
視線移動や視覚認知が安定すると、読む速度が上がり、読み飛ばしや誤読が減ることがあります。
書くときの目と手の連携が整うことで、文字のバランスが改善しやすくなります。
2. 学習の理解が進む
読む負担が減ると、内容理解にエネルギーを回せるようになります。
板書が間に合うと授業への安心感が増え、学習の土台が整います。
3. 運動が苦手でも改善のきっかけになる
距離感やタイミングは、目の情報が大きく関係します。
ボール遊びや縄跳びなどの運動も、見える情報処理が整うと取り組みやすくなる場合があります。
もちろん、お子さまの状態によって効果の出方は異なりますが、
学習と運動の両方に関係する土台として、ビジョントレーニングは非常に重要です。
発達障害(ADHD・ASD・LD)とビジョントレーニングの関係
発達障害やグレーゾーンのお子さまは、学習や生活で困りごとを抱えがちです。
その背景のひとつに、視覚機能の偏りが関係している場合があります。
ADHD傾向のお子さま
注意が散りやすい、ケアレスミスが多い場合、
- 視線が安定しない
- 必要な情報を選び取れない
- 見ているのに見落とす
といった視覚情報の処理が影響しているケースがあります。
ASD傾向のお子さま
全体を把握するのが苦手、切り替えが苦手な場合、
- 視覚情報の優先順位がつけにくい
- 目で見た情報の整理が難しい
といった課題が関係することもあります。
LD(学習障害)傾向のお子さま
読む・書くのつまずきがある場合、
- 眼球運動
- 視覚認知
- 目と手の協応
が弱いことがあります。
ビジョントレーニングは「発達障害を治す」ものではありません。
しかし、困りごとの背景にある土台を整えることで、学習や生活がラクになる効果が期待できるのです。
ビジョントレーニング参考文献
- 『発達の気になる子の 学習・運動が楽しくなる ビジョントレーニング (発達障害を考える・心をつなぐ) 』北出勝也(監修) ナツメ社 2015
- 『学ぶことが大好きになるビジョントレーニング』北出勝也(著)図書文化社 2009
- 『学ぶことが大好きになるビジョントレーニング2』北出勝也(著)図書文化社 2012
- 『クラスで楽しくビジョントレーニング 見る力を伸ばして, 学力&運動能力アップ!』北出勝也(著、編集) 図書文化社 2017
ビジョントレーニングのやり方(家庭でできる簡単メニュー)
ビジョントレーニングは教室だけでなく、家庭でも簡単に取り入れられます。
ここでは、続けやすい基本メニューを紹介します。
指追いトレーニング(眼球運動)
指をゆっくり左右に動かし、お子さまの目で追わせます。
- 顔は動かさず、目だけで追う
- 左右10回、上下10回
- 無理せず短時間でOK
迷路遊び(視覚認知)
迷路は「見て判断する力」を育てます。
- 簡単な迷路からスタート
- 毎日1枚など、習慣化しやすい形にする
間違い探し(視覚認知)
必要な情報を見つける力を育てます。
- 最初は違いが少ないもの
- できたら必ず褒める
数字探し(視線移動・注意)
紙に並んだ数字を順番に探す遊びです。
- 1〜20など簡単な範囲から
- タイムを競うより、正確さ重視
キャッチボール(目と手の協応)
柔らかいボールでOKです。
- 近い距離からスタート
- 転がす→投げるへ段階的に
家庭トレーニングで大切なのは、
- 短時間(3〜5分)
- 楽しく
- 成功体験を増やす
この3点です。
ビジョントレーニングのプリント・アプリは効果がある?
「ビジョントレーニング プリント」
「ビジョントレーニング アプリ」
などの検索が多いように、家庭で取り組みたい方も増えています。
プリントやアプリにはメリットがあります。
- 手軽に始められる
- 習慣化しやすい
- 遊び感覚で取り組める
一方で注意点もあります。
- お子さまの課題に合っていないと効果が出にくい
- やり方が自己流になりやすい
- 難しすぎると嫌になって続かない
未来Mixでは、お子さまに必要なトレーニングの方向性を見立てたうえで、家庭でできる内容も提案します。
「プリントをやっているけど合っているかわからない」という方もご相談ください。
ビジョントレーニングは大人にも必要?
Googleでも「ビジョントレーニング 大人」と検索する方が多数おられます。
大人でも、
- 目が疲れやすい
- 読むのが遅い
- 仕事でミスが多い
などがある場合、視覚機能の偏りが関係している可能性があります。
まずはご相談ください。
ビジョントレーニング教室に通うメリット
家庭でできるトレーニングも良いのですが、教室に通うメリットも大きいです。
- お子さまの課題を見立てて最適化できる
- 目の使い方の「癖」を専門的にチェックできる
- 継続しやすい仕組みがある
- 保護者の声かけや関わり方も学べる
特に、読み書きの苦手や学校の困りごとは、原因が複数重なっていることが多いです。
だからこそ、専門的な視点で整理し、無理なく積み上げていくことが重要です。
コグトレとビジョントレーニングをミックスした未来Mixの強み
見る力だけを鍛えても、思考の土台(認知機能)が弱いと、困りごとが残ることがあります。
逆に、認知機能を鍛えても、見る力が弱いままだと、読み書きのつまずきが続くことがあります。
未来Mixでは、
- コグトレ(認知機能)
- ビジョントレーニング(視覚機能)
を組み合わせた支援で、お子さまの「できる」を増やします。
学習だけでなく、生活面・運動面・自信の回復までを視野に入れて、段階的にサポートします。
神奈川県横浜市、東京都世田谷区(駒沢大学駅・三軒茶屋駅)にて見学・相談(無料)受付中です。
ご自宅にてできるトレーニング(オンライン全国対応)もご用意しております。
「自宅から教室へは通える距離にない」「教室に通う時間がない」「自宅時間を有効活用したい」「家でできるトレーニングを探している」「自宅学習の癖を子どもにつけたい」という方にご好評いただいております。
よくある質問
- ビジョントレーニングは視力が良くても必要ですか?
-
はい、必要な場合があります。ビジョントレーニングは視力ではなく「目の動かし方」や「見た情報の処理」を整えるトレーニングです。視力が良くても読み書きが苦手な場合、視覚機能の偏りが関係していることがあります。
- 家庭でのトレーニングだけでも効果はありますか?
-
簡単なメニューを継続できれば効果が期待できます。ただし、お子さまの課題に合っていない内容を続けると効果が出にくいことがあります。教室では見立てを行い、最適な内容を提案できます。
- どのくらいで変化が出ますか?
-
お子さまの状態や頻度によって異なりますが、数週間〜数か月で「読みやすくなった」「板書がラクになった」などの変化を感じる方もいます。まずは現状を見立てた上で、無理のない計画を立てることが大切です。
- 発達障害の診断がなくても相談できますか?
-
はい、可能です。診断の有無ではなく「今困っていること」から整理します。グレーゾーンや様子見の段階でも、早めに土台を整えることで学習や生活がラクになる可能性があります。



